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「敬老の日」をテーマにした販促例と消費者動向について

 昭和41年に915日を国民の祝日として制定された『敬老の日』。その後、2001年の祝日法改正でハッピーマンデー制度が導入されたことにより、2003年から9月の第3月曜日を『敬老の日』としました。今年は919日(月)にあたります。

 まずは『敬老の日』の発祥と由来についてお話させていただきます。

 昭和22年に兵庫県多可郡野間谷村(現在の多可町)で「お年寄りを大切にし、お年寄りの知恵を活かした村作りをしよう」と当時の村長が『としよりの日』を提唱し、915日に敬老会が開催されたことが発祥とされています。

 915日を『敬老の日』に制定した由来は諸説あります。

 一つ目は前述の敬老会の開催日に因んだという説。二つ目は聖徳太子が大阪の四天王寺に悲田院(現在の老人福祉施設)を建立した日に由来するという説。三つ目は、717年に元正天皇が養老の滝に行幸した日という三つの説があります。ハッピーマンデー制度導入により、日付が変更になることに対する反対意見に配慮して、老人福祉法によって915日を『老人の日』とし、その日から21日までを『老人週間』としました。

 少子高齢化が続き、超高齢社会のなか、『敬老の日』をテーマにした販促案の概要を幾つか紹介させていただきます。

 『敬老の日』のギフト市場関連だけでなく、シニアマーケット攻略の糸口を見つけるべく、高齢者の状況や意識等についても各種資料に基づいて、カンタンにまとめてさせていただきました。

  流通の販促担当者様はもとより、メーカーの小売担当者様や販促担当者様にご一読いただけたら幸いです。
敬老の日

 

1. 敬老の日関連商材拡販に向けた販促案概要

 65歳を過ぎても仕事を続けている人や趣味・習い事などで毎日を忙しく過ごしているアクティブシニアと呼ばれるおじいさん・おばあさん。そんな祖父母のために、売上向上を目的とした施策だけでなく、祖父母とお孫さんが楽しい時間を過ごすための施策なども含めて販促案の概要をいくつか紹介させていただきます。

【食品関連】

1:『メニュー・レシピ提案:1』《健康》

 健康意識が高い祖父母に対して、栄養バランスを考えた主食(ごはん・パンなど)・主菜(おかず)・副菜(野菜、きのこなど)ごとのおすすめ食材や見栄えも意識したメニュー・レシピ提案。実店舗の強みを生かして、レシピを再現して実物を提示する展開。

→主菜は高齢者の好みや食べやすさ(やわらかさ)も意識=刺身や煮付けなどの魚料理。煮物やカレー、ハンバーグなど。

2:『メニュー・レシピ提案:2』《孫》

 孫を可愛がっている祖父母が多いことから、『孫と楽しみながら作る』をテーマにした企画。孫とわいわい楽しみながら作れて、かつ美味しいメニュー・レシピ提案。

→手巻き寿司やお好み焼き、餃子、ピザなど。

3:『ギフト提案=セット企画《フラワーギフト》』

 贈り手・受け手とも上位に来ている『花』。日ごろ、健康のために、糖質を制限しがちな祖父母のために『スイーツ/お菓子/フルーツ』と組み合わせたセット販売企画。

→冷たいお菓子(ゼリー、プリンなど)/柔らかい洋菓子(カステラ、ケーキなど)/和菓子(お団子、おせんべいなど)/旬のフルーツ(柿、梨など)。

 

【ファッション関連】

1:『カジュアルウェア特集』《オンオフ対応》

 仕事をしている高齢者も多いので、オンオフ対応可能なカジュアルウェアを特集。着心地のいい素材とファッション性・機能性にこだわった品揃えで展開。

2:『コーディネート提案』《リンクコーデ》

 孫とショッピングを楽しみたいと考えており、ファッションへの関心も高い祖母に対してアイテムや柄、色などを部分的に合わせる孫との『リンクコーデ』を提案。

3:『スポーツウェア特集』

 運動をする習慣がある高齢者が多く、また、孫とアクティブに遊びたいと考えている人に向けて『スポーツウェア』を特集。通気性や伸縮性などの機能性に加えて、デザイン性にもこだわった品揃えで目的別・種目別にコーナー展開。

→孫と公園で遊ぶ/ジョギング/ゴルフ/ヨガ・ストレッチ/水泳など

  

【日用雑貨関連他】

1:『家の模様替え提案』

 経済的にも時間的にもゆとりのある高齢者夫婦に対して「敬老の日」をきっかけに、高齢になっても住みやすい本格的な家の模様替えを提案。

→壁紙の張替え(元気の出る明るい色使い)/家具の買い替え(温かみが感じられる素材と使い勝手の良さ)/安全対策(=手すりの設置等)/間接照明への買い替え(まぶしさの軽減)/キッチン・ダイニングスペースのコンパクト化/思い出と楽しく暮らす部屋作りなど

2:『フラワーギフト提案』

 「母の日」と同様、『敬老の日』のギフトとしても人気の『花』。バラやガーベラ、胡蝶蘭など人気の花を中心に、イエロー・オレンジ系やピンク・レッド系など花の色に加えて、祖父母の嗜好に合わせた花のスタイル(ベーシック=『アレンジメント』や『花束』/ガーデニングが趣味=『花鉢』/長く楽しみたい=『ブリザーブドフラワー』など)にもこだわった品揃えで展開する。

 また、花(スイーツ、ドリンク、グルメ、生活雑貨、服飾雑貨など)のセット販売企画も実施する。

3:『健康グッズ特集』

 多くの高齢者が気にしている健康。『健康グッズ』を特集した専用コーナーで展開する。腰痛や膝の痛み、高血圧などの自覚症状がある人や体力・筋力の低下を感じている人、運動不足を気にしている人などお悩みごとに対応できるよう、幅広い品揃えで訴求する。加えて、敬老の日のギフト需要にも対応できるよう、『3,0005,000円台』の価格帯の商品の品揃えも拡充する。

→高血圧=塩分計/血圧計など

→腰痛、肩こりなどの解消=マッサージ器/姿勢をサポートする椅子/ストレッチボードなど

→運動不足解消=万歩計/〇〇しながら、運動もできる器具など

4:『学習応援』企画

 高齢になっても、学習意欲の高い人が多い現状を鑑み、シニアに向けた『学習サポート企画』を文房具売場と家具売場が連動して実施。シニアを前面に打ち出すのではなく『高級=本物』や『体にやさしい』『趣味』などテーマ別の対応でシニア層以外にもアピールする。文房具売場では併せて『敬老の日ギフトコーナー』を設置して、ギフト需要の取込も狙う。さらに『サービスカウンター』では、カルチャーセンターなどの紹介サービスも実施。

《高級》

文房具=蒔絵万年筆、革張りの手帳など/家具=イタリアや北欧などの輸入チェア、デスク国産材を使って作った椅子、机など

《体にやさしい》

文房具=手が疲れにくいボールペン、ライト付きルーペなど/家具=長時間座っても疲れにくい椅子、目に優しいブックライトなど

《趣味》

文房具=油絵セット、書道セットなど/家具=パズルがしやすい広々デスクなど

 

【売場横断型】

1:『消費者参加型』企画

「お孫さんがおじいさん・おばあさんに感謝を伝えること」にフォーカスした企画。

小学生以下のお孫さんを対象に「おじいさん・おばあさんの似顔絵」を募集。優秀作品は後日、店舗に掲示するとともに祖父母が敬老の日のギフトとしてもらいたい「家族で楽しめる時間消費型プレゼント」を進呈。

→宿泊を伴う旅行券、ファミレスなどの食事券…等

2:『昭和レトロ』企画

若かりし頃を懐かしく思い出していただくために『昭和を振り返る企画展』を開催。当時流行したファッションやヒット商品をカテゴリー別(家電/玩具/文房具/食器など)に展示。昭和におこったおもな出来事をパネル(写真)で振り返る企画も併せて実施。

3:『プレゼントアドバイザー』企画

『敬老の日』に何を贈るか悩んでいる人が多い現状を鑑み、最適なギフトを選んでいただくためにサービスカウンターに『ギフトアドバイザー』を配置。祖父母の好みや予算を聞いて、売場横断型の対応で最適な一品を選んでいただく。

→食品=高級魚、銘柄牛、スイーツなど/衣料品=スポーツウェア、カジュアルウェア、靴下など/雑貨関連=健康グッズ、花など/その他=旅行券、食事券など

2:「高齢者」はどれくらいいるの?今後はどうなるの?

 『敬老の日』の販促施策だけでなく、シニアマーケット攻略の糸口を見つけるためにも日本で高齢者はどのくらいいるのか?また、今後も増えていくのか?把握することは重要となります。

 内閣府の資料によると、令和2101日現在の日本の総人口は12,751万人。うち、65歳以上の人口は3,619万人。高齢化率(総人口に占める65歳以上の割合)は28.8%に達しており、日本は世界で高齢化率が最も高く、2位のスウェーデン(20.3%)より8.5ポイントも上回っています。

 高齢化率は昭和25年(1950年)には5%に満たなかったが、その後、上昇を続け、1970年には高齢化社会(高齢化率:7.0%以上)となり、平成7年(1995年)には超高齢化社会(同14.0%以上)に、さらに平成22年(2010年)には高齢化率が21.0%を超えて超高齢社会となりました。今後も高齢化率は伸び続けると予測されており、、令和18年(2036年)には33.3%に達し、3人に1人が65歳以上の高齢者になると見込まれています。

 「高齢化社会」という言葉は今でもよく聞きますが、日本の現状を正しく表す言葉として「超高齢社会」と呼ぶべきでしょう。

グラフ1-1

 

日本はなぜ、高齢化率が上昇を続け、世界第1位の超高齢社会になったのでしょうか?

「平均寿命が延びたこと」と「合計特殊出生率の低下」がおもな原因として挙げられます。

 

 戦後、生活環境及び食生活・栄養状態の改善、医療技術の進歩等により、平均寿命は延び続けています。

 厚生労働省の調べによると、昭和25年(1950年)の女性:61.5歳、男性:58.0歳から男女とも伸び続け、平成2年には、女性が81.90歳、男性は75.92歳となり、令和元年(2019年)には女性:87.45歳、男性:81.41歳に達しました。男女ともその後も伸び続けると予測されており、令和47年(2065年)には女性:91.35歳、男性:84.95歳になると見込まれています。

 メディアでは『人生100年時代』と喧伝されていますが、そこまではいかないにしても、近い将来、女性は『人生90年時代』になりそうです。ふたつ目の原因として、合計特殊出生率の低下による若年人口の減少が挙げられます。

 団塊の世代が生まれた1947年~1948年(第1次ベビーブーム)には4.32あった合計特殊出生率がその後、減少を続け、1975年に『人口置換水準(人口が増減しない均衡した状態)』である2.07を下回り、2005年(平成17年)には過去最低の1.26を記録しました。

 202263日に厚生労働省より発表された人口動態統計によると、2021年の合計特殊出生率は1.30、出生数が811,604人。出生数は調査開始(1899年)以来最少を記録しました。平均寿命が延びたことによる65歳以上の人口増加に反して、少子化の影響による若年人口が減少した結果、高齢化率の上昇に繋がっています。

 今後も『少子高齢化の流れ』は続くと予想されており、その結果、生産者人口(1564歳)減少に伴う経済の低迷や増え続ける社会保障費の負担による現役世代の疲弊などが懸念されています。豊かな日本を将来の世代に引き継ぐためには、子どもを産み、育てやすい環境整備や子育て支援策の充実、海外から優秀な人材を受け入れるための施策が急がれます。

 また、多くの高齢者は勤労意欲が高いため、『健康な限りは働き続けられる=生涯現役社会』実現のための労働環境の整備も併せて実施する必要があるでしょう。

 

3:高齢者の現状はどうなっているの?

  高齢者の現状を正しく把握することも重要です。そこで内閣府による「令和3年版高齢社会白書」に沿って、65歳以上の高齢者の現状を項目別に見ていきましょう。

【家族と世帯】

 - 令和元年(1989年)現在、65歳以上の高齢者がいる世帯数は2,5584千世帯。全世帯(5,1785千世帯)の半数近く(49.4%)を占めています。

 実にほぼ2世帯に1世帯は、65歳以上の高齢者がいることになります。

 - 高齢者の単身世帯も増加しています。昭和55年(1980年)と平成27年(2015年)比で、実数ベース及び65歳以上人口に占める割合で見ると、男性《約19万人・4.3192万人・13.3%》、女性《約69万人・11.2400万人・21.1%》とも大幅に増加しています。今後も増加傾向は続き、令和22年(2040年)には男性:20.8%、女性:24.5%に達すると予測されており、男性の5人に1人、女性の4人に1人は一人暮らし世帯となります。見守りサービスなど一人暮らしの高齢者を「社会として、どうサポートしていくか」は現状でも大きな課題のひとつとなっています。

 

【就業・所得】

 - ゆとり度:60歳以上を対象とした内閣府の調査で『経済的な意味で日々の暮らしに困ることはない』と回答した人は6割を超えて(=63.6%)います。

 - 所得:平成30年の高齢者世帯の平均所得金額は312.6万円。全世帯(除く高齢者世帯及び母子世帯)の664.5万円と比較すると、5割以下となっています。

所得のうち、公的年金・恩給が占める割合が100%に達している世帯はほぼ半数(48.4%)に達しています。

 - 貯蓄現在高:世帯主が60歳以上の世帯と全世帯を中央値で比較してみると、前者が約1,506万円に対して、後者は1,033万円。前者が後者を約1.5倍上回っています。

 さらに60歳以上の世帯では4,000万円以上の貯蓄を有する世帯が17.3%を占めており、全世帯(11.4%)を6ポイント近く上回っています。平成26年(2014年)の個人の金融資産のうち、60歳以上の世帯が占める割合が6割を超えて(=64.5%)います。平成元年(1989年)と比較して、32.6ポイントも上昇しています。

→「豊富な金融資産を如何にして消費につなげるか」を考えた販促施策が求められます。

逆に、65歳以上の生活保護受給者数は増加しています。(2009年:69万人→2018年:104万人)

→豊富な金融資産を持ち、暮らしにゆとりのある富める高齢者と日々の暮らしにも窮している貧しい高齢者の2極化が進んでいます。

グラフ2-1

 - 労働力人口:労働力人口に占める65歳以上の割合は上昇し続けています。

→少子高齢化の影響もあり、今後もこの流れは変わらないと予測されるため、高齢者を戦力としてどう生かしていくかは企業にとって重要な課題となっています。

1990年:5.6% →2000年:7.3% →2010年:8.8% →2020年:13.4%)

 - 就業率(男性):「6064歳」の8割強(82.6%)、「6569歳」の6割(60.0%)、「7074歳」でも4割強(41.3%)の人が働いています。

 但し、60歳を過ぎると、非正規の職員・従業員の比率が大幅に増加します。

5559歳」が10.6%に対して、「6064歳」になると46.7%と急上昇し、「6569歳」ではほぼ7割(69.9%)の人が非正規雇用となっています。

 - 就業率(女性):「6064歳」のほぼ6割(59.7%)、「6569歳」はほぼ4割(39.9%)、「7074歳」でも約4人に1人(24.7%)が働いています。

 - 勤労意欲:現在収入のある60歳以上のうち、約4割(36.7%)が「働けるうちはいつまでも」と回答。「70歳くらいまで」「それ以上まで」を含めると約9割(87.0%)に達しており、高齢になっても働き続けたいと考えている人が大半を占めています。

→『生涯現役社会』実現のために国や企業が積極的に取り組む必要がありそうです。


hahanohi 

【健康・福祉】

 - 健康寿命(日常生活に制限のない期間):平成28年時点で男性が72.14年、女性が74.49年となっており、平成22年と比較して男女とも伸びています。(男性:+1.72年、女性:+1.17年)。男女とも平均寿命の伸び(男性:+1.43年、女性:+0.84年)を上回っています。

→健康寿命が伸びることによって、社会保障費削減につながることが期待されます。

 - 運動習慣:令和元年の運動習慣のある人は、男女とも75歳以上が他の年代に比べて高くなっています。

(男性=75歳以上:46.9%、6574歳:38.0%、2064歳:23.5%)
(女性=75歳以上:37.8%、6574歳:31.1%、2064歳:16.9%)

75歳を過ぎると、体力の低下や健康不安がより身近な問題として捉えられており、その対策として習慣的に運動をしているようです。

 - 要介護者等数(要介護または要支援の認定を受けた人):65歳以上の要介護者等数は増加しています。(平成21年度末:469.6万人平成30年度末:645.3万人+175.6万人)

75歳以上になると、要介護・要支援認定率の割合が急激に高くなります。(6574歳:4.3→75歳以上:31.8%)

- 介護を頼みたい人:男性は「配偶者(56.9%)」、女性は「ヘルパーなどの介護サービスの人(39.5%)」が最も高くなっています。

 - 介護費用:「年金等の収入でまかなう」が最も高く、63.7%。次いで「貯蓄でまかなう(20.5%)」の順となっています。

 - 要介護者等から見た主な介護者の続柄:「同居者」が最も高く、54.4%。次いで「別居の家族等(13.6%)」「事業者(12.1%)」の順となっています。

同居者の内訳を見ると、「配偶者」が最も高く、23.8%。次いで「子(20.7%)」「子の配偶者(7.5%)」の順となっています。

主な介護者を男女比で見ると、3565で女性が圧倒的に多くなっています。

年齢では、男性の72.4%、女性の73.8%が60歳以上となっています。

→メディアで言われている通り「老老介護」のケースが相当数存在しています。

 また、介護を理由に離職する人は女性が全体の75.8%を占めており、介護するために、離職せざるを得ない女性が多くいます。

→介護を理由に離職する女性を減らすための取り組みが求められます。

→→「老老介護」や「女性の介護による離職」を減らすために、老人ホームやデイケアなどに入所・利用しやすくするために、福祉施設の整備が求められています。

 

【学習・社会活動】

 - 社会参加活動:6069歳の約7割(71.9%)、70歳以上の5割弱(47.5%)が働いているか、若しくはボランティア活動や地域社会活動、趣味・お稽古事を行っています。

 - 学習活動: 6069歳の約5割(55.0%)、70歳以上の4割強(42.5%)の人が「この1年間に学習したことがある」と回答しています。

 - 学習意欲: 6069歳の約8割(81.9%)、70歳以上の6割強(62.6%)の人が「学習したい」と回答しています。内容は6069歳は「健康・スポーツ」(39.8%)、70歳以上では「趣味的なもの」(31.5%)が最も多くなっています。

→健康寿命を伸ばすためにも、社会参加活動や学習活動を支援する取り組みが企業にも求められています。

 

【生活環境】

- 住宅所有:65歳以上のいる主世帯で見ると、「持ち家」が最も多く、82.1%。但し、単身主世帯だけで見ると、「持ち家」の割合が66.2%となり、15ポイント以上減少します。

- 外出手段:「自分で運転する自動車」が最も高く、56.6%。次いで「徒歩(56.4%)」「自転車(22.4%)」の順となっています。大都市・中都市では「徒歩(71.0%・57.5%)」、小都市・町村では「自分で運転する自動車(66.7%・66.8%)」が最も高い。

→高齢者の自動車の運転が社会問題化するなかでも、小都市・町村では、「生活をするために高齢者が自分で運転せざるを得ない現実」が見てとれます。

 

【研究開発等】

 - インターネット利用率(2019年):60歳以上で見ると、「6069歳」が最も高く、90.5%。次いで「7079歳(74.2%)」「80歳以上(57.5%)」の順となっています。80歳以上でも6割近くがインターネットを利用しています。

増加率(20192010比)でみると、「80歳以上」が最も高く、+37.2ポイント。次いで『7079歳(+35.0ポイント)』「6069歳(+26.7ポイント)」の順となっています。

 - ふだん、利用している情報通信機器:60歳以上で見ると、「テレビ」が最も高く、80.2%。次いで「固定電話(56.6%)」「スマートフォン(44.5%)」「携帯電話(41.0%)」の順です。

60歳以上の高齢者の4割以上は「スマートフォン」を所有しています。

→→今後、企業が高齢者にアプローチする際、ネット広告やSNSなど『スマホファースト』を意識した施策が求められます。

※内閣府の資料はコチラ

https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2021/zenbun/03pdf_index.html 

 

4:高齢者の楽しみや健康維持に対する取組はどうなっているの?

 

 高齢者の楽しみや孫との関わり方、健康維持のための食生活やスポーツ・運動への取り組みを詳細に見ていくことは効果的な販促施策を立案するためには重要です。まずは、ソニー生命が20218月に実施した「シニア生活意識調査」結果から現在の楽しみや孫との関わり方を見ていきましょう。

【現在の楽しみ】

「旅行」が最も高く、44.6%。次いで「テレビ/ドラマ(36.0%)」「映画(26.7%)」「グルメ(25.4%)」「読書(24.2%)」の順となっています。

男女で差が大きい項目を見ると、「ファッション」が男性5.4%に対して、女性20.4%と女性のほうが15.0ポイントも高くなっています。逆に「スポーツ(男性28.4% 女性14.2%)」や「自動車(男性23.2% 女性2.4%)」では男性のほうが高くなっています。

前年比(2020年)で見ると、「健康」が▲7.8ポイント、「子ども/孫」が▲8.2ポイントの大幅な減少となりました。

→コロナ禍の影響で感染への不安や孫と会う機会が減ったことが大きく影響していると推察されます。

また、旅行への出費額は2.4万円/月(前年比±0円)、グルメへの出費額は1.6万円(同+3,000円)となっています。

→おうち時間が増えた影響で宅配やデリバリー、テイクアウトなどを使って、おうちでグルメを楽しんだ人が多かったことが影響していると推察されます。

グラフ3-1

  祖父母が孫に使ったお金(孫消費)はどうでしょうか?

【この1年間孫に使った金額】

 2020年の平均金額が112,715円に対して、2021年は104,682円。8,033円減少しました。

→金額面でもコロナ禍の影響で孫と会う機会が減ったことが影響したようです。

【何に使ったか】

 「おこづかい・お年玉・お祝い金」が最も高く、71.6%。次いで「おもちゃ・ゲーム(39.3%)」「一緒に外食(38.3%)」「衣類などファッション用品(33.5%)」「本・絵本(24.9%)」の順となっています。

 因みに「ラン活」と呼ばれるランドセル商戦を含む小学校入学需要に対して、祖父母の関りはどの程度のものでしょうか?「ランドセル・机・文房具など学用品」と回答した人は、15.3%。「シックスポケット(両親+その両親の祖父母)」と言われている通り、孫の小学校入学時に係る経費を祖父母も負担しているケースがあるようです。

 前年(2020年)比で見ると、「衣類などファッション用品」が6.9ポイント上昇したのに対して、孫と会う機会が減ったため「一緒に外食(▲8.3ポイント)」「一緒に旅行・レジャー▲7.5ポイント)」と大幅に減少しました。

【新型コロナが収束したら、孫と何をしたいか】

 「外食」が最も高く、51.1%。次いで「旅行(39.0%)」「公園で遊ぶ(36.4%)」「会話(28.8%)」「山・海で遊ぶ(25.2%)」の順となっています。

 男女で比較してみると、「公園で遊ぶ(男性44.0% 女性29.4%)」や「山・海で遊ぶ(男性28.0% 女性22.7%)」は男性(祖父)が高く、逆に「外食(男性41.3% 女性60.1%)」や「会話(男性24.0% 女性33.1%)」、「ショッピング(男性17.3% 女性30.7%)」では女性(祖母)が高くなっています。

 孫とアクティブに遊びたい祖父に対して、街ブラや会話を楽しみたい祖母と違いがはっきりしていて面白いですね。

※ソニー生命の調査結果はコチラ

https://www.sonylife.co.jp/company/news/2021/nr_210908.html 

 

 シニアの食生活や健康に関する意識はどうでしょうか?ネオマーケティングが20178月に60代・70代を対象とした「シニアの食生活と健康意識調査」の結果から考察させていただきます。

【病気予防のために、食事の面で取り組んでいること】

 「野菜をたくさん摂るようにする」が最も高く、52.7%。次いで「塩分を摂り過ぎないようにする(43.3%)」「夜遅い時間に食事を取らない(37.3%)」「和食を中心としたメニューにする(26.5%)」「カロリーコントロール(22.0%)」の順となっています。

「食事の面で取り組んでいることはない」と回答した人は23.7%。病気予防のために、食事面からも取り組んでいる人が8割近くに達しています。

【積極的に食べて(飲んで)いるもの】

 「野菜」が最も高く、64.9%。次いで「牛乳・乳製品(54.7%)」「魚類(46.2%)」「発酵食品類(45.8%)」「水・緑茶(39.8%)」の順となっています。

【食べる(飲む)ことを制限しているもの】

 「砂糖・お菓子・ケーキなどの甘いもの」が最も高く、29.9%。次いで「アルコール類(22.9%)」「パン・白米・麺類など炭水化物(19.2%)」「油脂類(16.8%)」「サプリメント・栄養ドリンク(7.3%)」の順となっています。

 →塩分や糖質、脂質の多い食品を避け、野菜や魚を中心に摂取しているシニアが多いようです。特に、糖質制限ブームなどの影響もあり、「炭水化物(糖質)」を避ける傾向があります。実は「炭水化物(糖質)」はエネルギー源の土台となるため、シニアの身体づくりにとって必要不可欠の栄養素です。健康に過ごすためには、「炭水化物(糖質)⇒5060%」「タンパク質⇒1320%」「脂質⇒2030%」の3大栄養素をバランスよく摂取することが重要なことを啓蒙する必要がありそうですね。

70歳を迎えるにあたっての体力・運動・身体面での不安について】

 「体力の低下」が最も高く、65.9%。次いで「筋力の低下・筋肉の減少(50.6%)」「腰の痛み(36.6%)」「膝の痛み(29.7%)」「ロコモ14.9%)」の順となっています。

※ロコモ(=ロコモティブシンドローム):移動するための能力が不足したり、衰えたりした状態。

→体力面や運動機能、身体面に関する不安を多くの人が抱えています。

70歳を迎えるにあたっての病気や疾患についての不安について】

 「高血圧」が最も高く、37.9%。次いで「がん(28.8%)」「コレステロール値(25.8%)」「認知症《痴呆》(21.1%)」「糖尿病(18.5%)」の順となっています。

※ネオマーケティングの調査結果はコチラ

https://neo-m.jp/investigation/133/ 

  シニアのスポーツ・運動の実施状況はどうでしょうか?

 大和ネクスト銀行が20173月に実施した「シニアのスポーツと日帰りレジャーに関する調査」によると、スポーツ・運動の実施率は、全体で67.4%。特に70代男性では84.0%に達しており、平均を20ポイント近く上回っています。種目別に見ると、『ウォーキング』が圧倒的に高く、73.7%。次いで『ゴルフ(14.4%)』『ヨガ・ストレッチ(14.1%)』『ジム・フィットネスクラブ(11.0%)』『水泳(9.6%)』の順となっています。

→「ウォーキング」が人気の理由は、お金がかからず、道具を揃えるなど面倒な手間や特別なスキルを身につける必要もないため、気軽に始められることが大きいようです。さらに継続的に実施しやすく、肉体への負荷も少ないことも人気の理由だと考えられます。

 事実、朝、「ウォーキング」をしている高齢者を見かけることも多いですよね。

グラフ4

  スポーツ・運動をする理由を見てみると、『健康・体力づくりのため』が圧倒的に高く、85.3%。次いで『運動不足だから(51.2%)』『趣味・楽しみだから(34.6%)』『ストレス発散のため(24.8%)』『生活にメリハリをつけたいから(17.4%)』の順となっています。

 因みに1ヶ月にスポーツ・運動にかける平均金額(0円を除いて算出)は8,435円。但し、『0円(お金はかけていない)』と回答した人が41.7%を占めています。

→「ウォーキング人気」が影響していると言っていいでしょう。

※大和ネクスト銀行の調査結果はコチラ

https://www.bank-daiwa.co.jp/column/articles/2017/senior_sport_and_leisure_report_2017_03.html

 

5:敬老の日のギフト市場はどうなっているの?

  敬老の日のギフト市場の現状はどのようになっているのでしょうか?ギフトをもらう側と贈る側の両方の視点から現状を確認していきます。もらう側であるシニア層の意識はどうでしょうか?楽天が2019年に実施した「敬老の日意識調査」の結果に沿って考察させていただきます。

【貰ったらうれしいもの】

 「花関連ギフト」が最も高く、42.3%。次いで「外食(32.3%)」「旅行(30.3%)」の順となっています。

→「モノ」よりも「気持ち(花)」や「一緒に楽しめること(外食・旅行)」がうれしいようですね。

【意向(祝われたい)率・経験率】

 7割近い(=68.7%)祖父母が「敬老の日に祝われると嬉しい」と回答していますが、実際に祝ってもらった経験がある人は3割に留まっています。

→本人は本当は祝ってもらいたいのに言い出せないことで「老人扱いされることが嫌なのでは」という周囲の気遣いがこの差に繋がったのかも知れません。

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【祝ってもらいたい人】

 「孫」が圧倒的に高く、90.3%。次いで「娘(64.0%)」「息子(58.7%)」「義理の息子(55.3%)」「配偶者(51.7%)」「義理の娘(50.7%)」の順となっています。

→多くの人は自分の配偶者や子どもより、孫に祝ってもらいたいと考えているようです。

【敬老の日に祝われる対象年齢】

 「70歳以上」が最も高く、36.3%。次いで「75歳以上(30.3%)」「65歳以上(12.7%)」となっています。但し、実際に敬老の日デビューした(祝われた)平均年齢は64.5歳。

→本人は「70歳、若しくは75歳から」が老人と考えているのに対して、家族は「仕事をリタイア=65歳になったら、老人」と判断しているのかもしれませんね。

 また、初めて『敬老の日』を祝われた時の孫の平均年齢は7.85歳(小学12年生)です。

【自分自身を高齢者と思うかどうか】

 実に「6064歳」の8割(81%)、「6569歳」の7割(72%)、70歳以上でも3割強(34%)が『そう思わない』と回答しています。

→「定年後も仕事を続けている人や社会活動、趣味・お稽古ごとに積極的に取り組んでいる人=アクティブシニアが多いこと」がこの結果に繫がったと推察されます。

→「高齢者だと思われたくない人が多くいること」がシニアマーケット攻略を難しくしています。

【子どもや孫との主なコミュニケーション手段】

 「直接会う」が最も高く、77.3%。次いで「電話(45.0%)」「LINEなどのSNS28.0%)」「メール(26.3%)」の順となっています。

→イマドキシニアの1/4以上は、スマホでSNSを使いこなしています。


※楽天の調査結果はコチラ

https://event.rakuten.co.jp/keirou/special/honne/ 

 
 敬老の日にギフトを贈る側はどうでしょうか?敬老の日.jpが実施した「敬老の日ギフトに関するアンケート結果」から考察させていただきます。

【ギフト実施状況】

 ほぼ7割の人(毎年:36.7%+時々:34.3%)が「ギフト」を贈っていると回答しています。

【贈りたいもの】

 「食品・スイーツ」が最も高く、36.7%。次いで「お花・植物(12.3%)」「食事(10.3%)」「お酒・ビール(10.3%)」「健康・生活雑貨(9.3%)」の順となっています。

→貰いたいものの第2位である「旅行」は5.7%で第7位。「経済的」「時間的」負担が大きい「旅行」は贈る側からしたら、ハードルが高いようです。

【購入場所】

 「インターネット通販」が最も高く、33.7%。次いで「百貨店・デパート(26.3%)」「ショッピングモール(13.3%)」の順となっています。

【予算】

 「4,0005,000円未満」が最も高く、19.3%。次いで「2,0003,000円未満(16.0%)」「3,0004,000円未満(13.0%)」「8,00010,000円未満(11.7%)」「5,0008,000円未満(11.0%)」の順となっています。

→敬老の日のギフトは高額なものと言うより、「3,0005,000円台」が品揃えの目安となりそうです。

【重視するポイント】

 「おじいちゃん・おばあちゃんの好みである」が圧倒的に高く、66.7%。次いで「クチコミがよい(7.0%)」「金額・予算内に収まる(6.7%)」の順となっています。

→「奇をてらわずに、好みのものを贈ること」が主流のようです。

【選択時に悩むかどうか】

 「特に悩まない」が最も高く、28.3%。次いで「毎年同じものになってしまう(25.3%)」「気に入ってもらえるかわからない(16.0%)」「贈りたいものが思いつかない(7.3%)」「贈りたいものがたくさんあって選べない(5.7%)」の順となっています。

→マンネリ化や自信がないなど多くの人がギフト選びで悩んでいる姿が浮かびます。

【準備の開始時期】

 「4日~1週間前」が最も高く、19.3%。次いで「約1ヵ月前(19.0%)」「その他(16.7%)」「約2週間前(11.7%)」「2日~3日前(10.0%)」「当日(5.7%)」の順となっています。

→敬老の日のギフト訴求は遅くとも『1ヵ月前』からスタートする必要がありそうです。

※敬老の日.jpの調査結果はコチラ

https://keirounohi.jp/keirou-survey2020/ 

6:さいごに

 65歳以上の高齢者は月々の所得は減るも、貯蓄を含めた金融資産が多いため、経済的にゆとりがある人が6割を超えています。65歳を過ぎても働いている人が多く、リタイア後も趣味やお稽古ごとなどで忙しく過ごしており、学習意欲も旺盛なため「アクティブシニア」と呼ばれる高齢者も多くいます。

 さらに、75歳以上になると、要介護認定を受ける人が3割を超えることから、日ごろから食生活に気をつけたり、運動をするなど健康・体力維持のための努力も惜しんでいません。結果として、70歳以上になっても「自分を高齢者だとは思っていない人」が3割強もいます。この点がシニアマーケット攻略を難しくしています。

 高齢者だと認識していない層に対して、旧来のシニアのイメージに基づいた施策でアプローチしても『自分ゴト化』してもらえないので、いい結果が得られません。ただ、経済的にゆとりがあるため、興味のあることに対しては消費意欲が旺盛とも考えられます。

 シニアと一括りにしてアプローチするのではなく、『健康』や『趣味』、『旅行』『グルメ』『ファッション』など高齢者が興味のあるテーマを明確にして、『自分ゴト化』してもらうためのストーリーをしっかり構築することが重要となります。

『敬老の日』についても同様なことが言えるかもしれません。

 高齢者だと思っていない人が多い現実に対して、7割近くの人が『敬老の日』に祝ってもらいと思っていることも事実です。高齢者だから祝う日ではなく、日ごろの感謝や長生きしてほしいという家族の想いを伝える日として『敬老の日』をとらえる必要があるかもしれません。また、旅行や外食などが欲しいプレゼントの上位に来ていることから「祖父母と家族で楽しい時間が過ごせる日=敬老の日」とも考えられます。

 「孫(家族)と楽しい時間が過ごせる企画」や「祖父母の好きなモノ・コトを押さえた企画」、「感謝を伝える企画」などが求められるでしょう。さらに、長生きしてほしいという家族の想いを「健康関連特集」へ繋げていくアプローチも考えられます。

 『感謝・想いを伝える日』や『家族で楽しい時間を過ごせる日』など『敬老の日』の位置づけ(=テーマ)を明確にして、そのテーマに沿った企画を消費者にしっかりと届けられれば、成功する販促施策に近づくでしょう。

 他企業・他店との差別化を意識し、御社ならではの『敬老の日』を意識した販促施策を構築していってください。

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