新聞折込チラシのデザイン作成で必要な7つの要素

Posted by 鷹野寛之 on 2019/08/13 14:00:00

 「折込広告は効果が落ちた」という声を聞くことがあります。メディア環境はスマホ登場以降大きな変化が起きています。購買のスタイルもAmazonなどの購買スタイルの発展、Uberやメルカリなどシェアリングサービスの一般化など、場所を選ばない、利便性の高い、リソースが効率的に整えられた(結果消費者は払うコストが安い。)新しいサービスが出てきており、そのサービスが消費者をひきつけていることは事実です。

変化し続けるメディア接触状況

 生活している人々は、旧来型のメディアに接触する機会が減ったり、それに割く時間が減ったりすることがデータでも見えているところです。下記は、2009年から5年ごとのメディア総接触時間の変化の様子です。

メディア総接触時間の時系列推移

 スマートフォンの登場以来、各メディアへの総接触時間は大きくバランスが変わったことが分かります。

 ただ、メディアの環境は変化しても、折込広告の届き方には変化がありません。コストを掛けた分は配布されて、手元にはチラシが届いている数は変わっていません。また、宅配の新聞を購読している人のチラシを見る率もここ10年ほどであまり変化していないというデータもあります。そのような状況で折込広告の販促メディアとしてのパワーは急に効果も落ちるものでしょうか。

 実際に、お客様のチラシの配布するタイミングと、POSデータによるレジの客数の変動状況を並べてみると、チラシのセール期間は確実にセール期間の方が客数は増えていることが多いのです。また、サイズでいえば、B4サイズよりもB3サイズのチラシの実施時の方が客数が増えている傾向が高いことが多いのが実情です。つまり、チラシは”効いてはいる”ということです。(形状によってその効果も変わってくるということです。)

 チラシを届ける数は変わっていないのに、それに反応する人が減っている(増えない)のは、チラシの紙面の内容が見ている人にとって魅力的ではない。もしくは伝わっていない可能性もある可能性もあるのではないでしょうか。(チラシを配布しておけば人は呼び込むことができる、ということを言いたいのではありません。)届ける内容についても、一度よく考えて、それに反応をする人が増えるかは実施検証をしてみて、その手段の是非を考えましょう、というのがこちらの記事の主旨です。

チラシはどんな人に届いているのか

 チラシはどんな人に届いているのでしょうか。新聞・チラシの到達について考えるときに、ベンチマークにされている定点で取得されているデータで、NHKの国民生活時間調査という調査があります。そのなかの新聞の行為者率のデータを見てます。

NHK国民生活時間調査新聞

※行為者率とは1日の中で該当の行動を少しでも(15分以上)した人が全体に占める割合を言います。
 新聞は、朝刊・夕刊・業界紙・広報紙を読む(チラシ・電子版も含む)が含まれています。

 どの年代でも別のメディアに時間を割くようになっていますので、新聞を読む率は全体で減少トレンド。ただ、50代以上についてはまだ接触する率が高いメディアということが言えます。届けたいのが10代、20代と、チラシの届く対象と合わない場合は活用自体を再考した方が良いかもしれません。「お店の周りにいる20代の女性にチラシで届けたい」という与件の場合、あまり手段として適正とは言えません。届けたいターゲットにマッチがないと、やはり効果は上がらないからです。年代については上記のグラフを参考にしてみて下さい。


チラシで効果を上げためにチェックしたい7つのポイント


 チラシをプロモーションの手段として選ぶときには、その人たちのことを思い浮かべてプランを立てましょう。その他にも、チラシのデザインをするときにチェックすべきポイントは多数ありますが、7つに絞ってご案内します。来店や購買、申込みなど、チラシに対してのレスポンスを獲得するために必要なことです。


チラシで効果を上げるためにチェックしたい7つのポイント

 では、この図にある7つの要素について順番にご説明します。

 

1、アテンション(ターゲットへの呼びかけ)

 まずは、チラシが手元に来た時に、それが自分のためのものだという「自分ごと化」をしてもらう必要があります。シ商品やビジネスの特性に合わせて、目につくところにターゲットの呼びかけを入れるようにしましょう。「家のリフォームを考えている方に」「冷え性の女性は必見」など、(これは自分のための情報だな)と受け取ってもらうための呼びかけを入れるようにしましょう。せっかく届いたチラシでも中身を見てもらえなければ、届いていないのと同じです。興味を持ってもらう・気づいてもらうためのアテンションがチラシに入っているかをチェックしましょう。

 

2、ベネフィット(商品・サービスによる恩恵)

 チラシに掲載されている情報には、見る人にとってのサービスの恩恵が載せられている必要があります。例えば、高機能洗剤の情報を届けるのであれば、「汚れがよく落ちます」という直接的な訴求もいいのですが、「少ない水で選択が済みます」とか「スポーツで付いたしつこい泥汚れも手洗いなしでスッキリ落ちます」など、消費者のシーンに合わせてのメリットを伝えて関心を持ってもらうことが重要です。

 売る側は機能や、性能を強く推したい気持ちは出るとはおもうのでうすが、よく考えなければいけないのは、消費者が欲しいのは製品の特性ではなく、顧客の状況と顧客が片づけるべきジョブが新しい製品が消費されるかどうかを決定づけている点です。

 例えば、「伸びてだらしなくなった髪を整えたい」という忙しい男性にとっては、サービスがよくて時間もかかる床屋ではなく、「20分で1,000円」のようなシンプルで立ち寄りやすい立地の床屋を選ぶのです。こちらが訴求する情報は、あくまでも本人が、その状況において目指していることに適した解決策であるポイントが重要です。

参考:ジョブ理論とは?ジョブ理論を分かりやすく要約してみる(中小企業診断士クラゲの経営学 マーケティングラボ)

 

3、エビデンス(根拠となる実証データや解説)

 広告にありがちなことですが、アテンションやベネフィットを強く訴えるだけでは、消費者は動きません。「広告だから言ってるんでしょう」とか「売りたいから誇張しているのでは」といった心理がはたらくものです。(当然ですが、消費者は賢いのです。)商品やサービスの良さを実証するデータや証明があると、消費者のハードルを超えることができる場合があります。それは科学的な証明、国や公共機関の認定を受けているものであったり、認定されている対象によって納得度は変わってきます。その認定によって納得をもって商品やサービスを選んでもらうことができるのです。

 例えば、食べ物であれば、「特定保健用食品」「栄養機能食品」「機能性表示食品」といった国の基準を満たしたエビデンスを取ろうとするのは、このエビデンスをもって、価値を証明するためのものです。他にも、地域の物産に認定されている、であったり、〇〇セレクションに選ばれたなど。何かしらの当事者以外(第三者)の機関の認定をもって、商品やサービスの価値を示せるものがあれば、それをチラシに載せるようにしましょう。

 

4、テスティモニュアル(権威・専門家・有名人など第三者の推奨)

 テスティモニュアル【testimonial】とはあまり聞き慣れない言葉かもしれません。広告やマーケティングで、ある商品やサービスに対する消費者や識者などの推奨意見のことを言います。

 青汁の広告で、有名人が「全然苦くなくて飲みやすいし、毎朝の習慣になっています。」という文言でCMが流れているのを見たことはないでしょうか。有名人の推奨を使った広告の例です。ビールのCMでも、「もうこれしか飲めない」(というニュアンスの)感想を述べるCMは長年流れ続けています。

 また、大学教授が「アボカドは膝に良いのでオススメです。」といった推奨をテレビですると、スーパーでその商品が売れることがあります。グルメ番組で児島じゃない方がススめる店は、しばらく来店が途絶えなかったりするのはテスティモニアルによるものと考えられます。その推奨する人の信用度の高さや、親近感、自分が置かれている状況の近さが、購入しようとしている人に強く影響を与えます。チラシにも実際に権威・専門家・有名人の声が載せられるようであれば、それを見せて伝えることで、信用をしてもらい、結果レスポンスの獲得につながるでしょう。

 

5、ユーザーボイス(愛用者のコメント)

 エビデンスやテストモニュアルにも近い考え方ですが、こちらは、愛用者のコメントです。何かの認証を受けていなくても、有名人が絶賛していなくても、近年、実際に商品やサービスを試したユーザーの声は、これからそれを購買しようか検討している消費者にとって頼りにされる情報になりました。共感してもらうことが購買促進のためには重要な要素になってきているのです。

 食べログでお店を選んだり、Amazonで商品を購入するときに、★の数や、お店に対する評価、そこでの体験談などにその選定を左右されたことがある人は多いのではないでしょうか。同じように、ラシにもユーザーが商品を購入して感じた「リアルな感想」を載せることで、リアリティーのある情報を届けることをもってココロを動かすできるでしょう。

 商品やサービスについて、懸念する点を消費者の声をつかってうまく解消してあげる手も有効です。スマートフォンの広告で、(商品の使うのが少し難しそうだ)という懸念が購買のハードルになるようであれば、「機械の操作が分からない私でもすぐに操作できるようになりました/分からない場合は店員が丁寧にレクチャーしてくれました。」という声を載せたり。(すぐに壊れそうだな)という懸念があれば「◯年間使っているのですが今でも使い始めた当初と変わらず使えています/電池が切れたのですが、お店ですぐに入れ替えてくれました。」という声を載せたり。

 ユーザーの声を創作するのはもちろんNGですが、購買のハードルを下げるユーザーの声が集められるようであれば、コストを掛けてでも集めて、プロモーションに活用することを検討してみて下さい。

 

6、オファー(特典・期限 いま買うべき必然性)

 チラシで効果を上げるためには、この要素がもっとも重要です。ここでしか受けられない特典。いましか得られないインセンティブ。時間が経つと得られなくなる特典。外食などであれば、チラシにクーポン券を付けることは検討してみてもいいでしょう。ただの値引きではなく、消費者の状況に合わせて、これだったら(わざわざ)行動をしようと思わせるだけのオファーを考えなければいけません。

 深く触れませんが、例えばクーポンの値段を決めるもその値段については消費者の心理をよく考える必要があります。ビジネスの種類によっても、そのインセンティブの設定は変わってきます。住宅展示場に来てもらうためのインセンティブと、ファストフードでランチをしてもらうためのインセンティブは当然変わってきます。

 チラシのオファーの期限についても同様です。「今週末限定」とするか、「チラシが届いた日から3ヶ月」とするかで、消費者の受け取り方は大きく代わります。期限の設定も重要な要素です。

 またスポーツクラブなどでよくあることですが、オファーの意味が複雑になってしまい、アクションしてもらえないなどということも起こります。消費者にとって、受け取った瞬間にそのオファーが満足するもので、よくよく考えてもそれに納得するようなオファーを提示することでチラシの効果は大きく変わってくるのです

 チラシが効かななくなったという方は、そのオファーの設定についていま一度見直してみて下さい。(オファーにコストを掛ける考え方も必要かもしれません。)消費者にとっての特典・その期限・いま買うべき必然性を加えれば、チラシの効果は確実に変わってきます。

参考:景品に関するQ&A(消費者庁)

参考:マーケティング活動に活かせる行動経済学の基礎知識5選(株式会社PLAN-Bの情報発信メディア)

 

7、アクションデバイス(店舗マップ・フリーダイヤル)

 チラシを見て、アクションをしようと思った人に、その手段を明確に示しておくことも重要です。例えば通販で電話での注文受け付けをしているのに、電話番号が小さくて目立たなかったり。WEBサイトへのアクセスを促しているのに、サイト名や検索のクエリが明示されていなかったり。(QRコードが載っているのに読めないことがあったり!)載せたい商品が多くて申込みの電話番号が小さくなってしまった、というのは本当に陥りやすい失敗です。

 店舗への来店促進がチラシの目的であれば、地図やアクセスの方法が明確に載っていることも重要です。大きなショッピングセンターの例では、施設内でのテナントの場所の明示をしてあげることで、来店数を大きく伸ばしたようなこともあります。

 これは、お店に来て、購買の気持ちが高まった消費者が、レジの場所が分からなくて機会損失をするようなものです。WEB通販で言えば、カートまで商品を入れはしたものの、フォームが複雑で「あとでいいや」と機会損失するようなものです。チラシでも、その申込経路であったり、手順、もしくはお店の場所・アクセス・営業時間、その商品がお店のどこに置いてあるのかなどを伝えてあげて、迷いなく購買のアクションを取れるように情報を提示しましょう。

 先に案内したチラシのターゲットの年代の話にもつながるのですが、まだ電話やFAXやはがきの申込みも、レスポンスを取ることができるアクションデバイスです。「今なら検索で、ネット注文の方が多いでしょう」という思い込みをして、その手段を明示しないことで機会損失をするケースはよくあることです。自分の購買行動ではなく、チラシを見る人の購買行動に即した情報の提示をすることで、機会や選択肢を増やしてチラシの効果を高めましょう。

 


 以上、チラシのデザインを考える時にチェックしたいポイントでした。基本的なことなので、「いまさらそんなことは分かっている」というように考えてしまいがちですが、こちらは業種に関わらず活用することができるチェックポイントです。ぜひ自分の業種や、今つくっているチラシにこちらの要素を当てはめて再度チェックをしてみて下さい。折込チラシの届いている年代と合わせて考えてみることで、効果をあげるための気付きがあるはずです。

 チラシをつくるたび(完成する前がいいですが・・・)に、簡単にチェックをしてみましょう。

 他に、チラシの効果を上げるためには「サイズ」や「タイミング」も重要です。下記の記事も参考にしてみて下さい。

参考:折込チラシを配布するタイミングについて~プロが考えるデータに基づく計画方法~

参考:折込チラシは一般的にどのサイズがいいのか~業種別のサイズ傾向と注目率の違い~

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