所有しているビルを有効活用したいと考えるのは、不動産オーナーなら自然なことではないでしょうか。
屋外看板を設置すれば、さらなるビジネスチャンスとなることもあります。
今回はビルオーナーの方が覚えておきたい屋外看板の設置について紹介します。
ビルに看板設置をする意味は?
ビルに設置する看板は、飲食店や学習塾、美容院など、さまざまなビジネスを有利に展開していくために活用ができます。
収益をアップさせる方法として、店舗の認知度アップやサービス内容の周知は欠かせません。
ビルの屋外看板は、周辺地域を行き交う人たちに効率よく認知させて、店舗誘導できることから集客ツールとしては一般的な装置です。
自社ビルの宣伝はもちろん、他業種から依頼を受けて広告できれば、自分にとっても、テナントの方にとっても、
双方にとって収益アップが期待できます。今まで使っていなかった屋上や側面など、空いているスペースに看板を設置することで、
新たなビジネスチャンスをつかむことができるのです。
ビルの看板設置の手順
ビルに看板を出すといっても屋上に設置する場合やビル側面のスペースを使うなど、効果的な方法は地域性や人通りを考慮して決定することです。
屋外看板の設置場所としてふさわしいのは、広告内容を効果的に伝達することができる場所です。
そこで、屋外看板を設置する場合、「実際にビルのどこに看板をつければ効果的になるのか」など、看板業者に相談するのが失敗しないコツです。
看板の設置枠を作っても、依頼を受けることができなければ収入アップにはつながりませんし、自社ビルの宣伝だとしても
効果が薄ければ出費が増えただけに終わってしまいます。
業者との検討を終えたら、今度は看板設置に関する条例を確認しましょう。
屋外看板の宣伝効果が周辺にもたらす”影響”が大きいので、「良好な景観の形成又は風致の維持」や「公衆に対する危害の防止」に対する
配慮が求められています。
設置が可能だと分かれば、広告の依頼者を探しましょう。まずは、街の規模や人通りの属性などから、広告主となる業種や
収益の見込みを具体的に確認しておくと収益の試算も可能です。
ビルの屋外看板の規制とは?
ビルの屋外看板の設置には、管轄となる行政機関によって細かく条例が定められています。
もちろん、条例に違反することは認められません。効果的であれば、どんな宣伝方法でも許されるわけではないのです。
屋外看板の設置で注意したいのは、建物の所在地が禁止区域に該当していない必要があります。
禁止区域となっているのは、歴史的な建物や公共施設、住宅地などです。
屋外広告が街の美観を害し、また公共性を損なうと考えられることから、街によって、その規制の度合いが違います。
一定の条件を満たすことで看板設置が認められるケースもあります。たとえば、自家用の広告で条例に反しない場合です。
看板設置が可能な許可区域であっても、設置前に必ず担当窓口に申請し許可を受けなければいけません。
はじめて設置する場合には、許可申請書に必要事項を記載した上で、内容を詳しく説明するために他にも書類が必要になります。
図案に関する添付書類としては、付近の案内図や仕様書、着色済みのデザイン図や設計図、配線図などがあります。また、承諾書や委任状などの権利関係を証明する書類も欠かせません。広告の形状や規模、色彩、意匠などの表示方法が景観風致を害するおそれがあると判断されると表示または設置できないので注意しましょう。
大阪市を例に紹介すると、屋上に看板を設置する際にビルの側面からはみ出すような方法は認められません。
また、建物の高さが20mに満たないときは看板の高さを建物の高さの5分の1までに抑える必要があります。
20m以上の場合でも、4mまでに収まるように決められています。
さらに、美観を守る必要性の高い地域を重点届け出地域と定めていて、建物の側面を利用するときも
表示したい広告の総面積は50平方メートル以下にする必要があり、窓や開口部をふさぐような看板の設置は許可されません。
重点届け出区域以外であっても取付壁面の面積の3分の1を超えるような広告は禁止です。
各自治体によって条例の内容に多少の違いはありますが、いずれの地域でも屋外広告の設置が景観や公衆を害するおそれがないかはくりあしなければいけないポイントになります。
看板の設置で注意しなければならないこと
屋外看板の設置は、新たなビジネスチャンスを生み出します。しかし、法令や各自治体の条例に従うことも忘れてはいけません。
さらに、看板の設置は安全性の確保もポイントで、落下事故を踏まえた対策が必要です。
たとえば、ビルの側面から飛び出して設置される袖看板では、その高さが4mを超えるときは「工作物確認申請」が必要となります。
また、4mを超えない場合でも、ブラケットの防錆処理は、対応年数や設置される環境に合わせて強度を保つように工夫しなければなりません。
また、ビルに屋上看板を設置する際、月日が経てば放置したままの骨組みはサビで老朽化します。
照明器具をいっしょに設置しているなら、照明機材やボルト1本の落下であっても大きな事故につながります。
また、雨風などの自然環境から影響を受けやすい屋外看板ですが、看板自体の強度不足や施工不良が原因となる
人的なミスでも事故は起きてしまいます。そこで、計画的なメンテナンスを実施して危険を回避する取り組みが不可欠なのです。
ビル看板の収益性を優先するあまり安全管理がおろそかになってしまうと、看板の落下事故など社会的な責任が問われることもあるでしょう。
屋外看板の設置は大きなビジネスチャンスが見込めるだけに、しっかりとした施工知識とメンテナンス計画をするようにしましょう。
弊社の屋外看板チームでは、設置条件や、どういった手順で進めていけばいいのか、収益や効果が上がるかまでご相談を受け付けております。
下記のリンク先のフォームからお気軽にご相談いただけたらと思います。